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【東京】相続の税理士費用は誰が払う?負担割合の決め方と債務控除の注意点を解説

【東京】相続の税理士費用は誰が払う?負担割合の決め方と債務控除の注意点を解説

「相続税申告を税理士に頼みたいが、費用は誰が払うのか」
「兄弟で分けるなら、どう決めればいいのか」
このように迷う方は少なくありません。

結論から言うと、税理士費用を誰が払うかに法律上の決まりはありません。
相続人全員で話し合って負担割合を決め、書面に残すのが基本です。
そのうえで、次の2点は押さえておきましょう。

  • 税理士費用は債務控除の対象にならず、払っても相続税は減らない
  • 誰が払うかによって、二次相続まで含めた家族全体の税負担は変わる

この記事では、負担割合の決め方・債務控除できない理由・故人の預金から払う方法・トラブルの防ぎ方までを解説します。
監査法人と証券会社で資産家の資産承継に携わってきた東京の齋藤久誠公認会計士・税理士事務所が、実務の視点でお伝えします。

目次

相続の税理士費用は誰が払う?法律上の決まりはなく話し合いで決める

相続税申告の税理士費用(報酬)を誰が負担するかについて、法律上のルールはありません。
相続人全員で払っても、代表者1人が払っても問題ありません。
実務では、次のいずれかで決めるケースがほとんどです。

  • 財産の取得割合に応じて分ける
  • 相続人の人数で均等に分ける
  • 代表相続人や配偶者が1人で負担する

どの方法を選ぶ場合も、税理士と契約する前に負担割合を決め、遺産分割協議書などの書面に残すことが大切です。
後から揉める原因の多くは、取り決めがないまま依頼を進めたことにあります。

税理士費用以外も含めた相続手続きの費用は、相続にかかる費用の全体像で解説しています。

税理士費用は債務控除できない?相続税が減らない理由

相続税申告の税理士費用は、遺産総額から差し引く「債務控除」の対象になりません。
いくら支払っても、相続税の額は変わらない点に注意が必要です。

債務控除できるのは、被相続人(亡くなった方)が死亡時に負っていた借入金などの債務と、葬式費用です。
税理士費用は、相続が始まった後に相続人が手続きのために払う費用です。
被相続人の債務には当たらないため、控除できません。

相続で発生する主な費用の扱いを表にまとめました(2026年10月時点)。

費用債務控除理由・補足
被相続人の借入金・未払いの医療費できる死亡時にあった確実な債務
被相続人の未納の税金(準確定申告で納める所得税など)できる被相続人の債務に当たる
通夜・告別式・火葬などの葬式費用できる債務ではないが控除が認められている
香典返し・初七日などの法事の費用できない葬式費用に含まれない
相続税申告の税理士費用できない相続人が相続後に負担する費用
相続登記の司法書士報酬・登録免許税できない相続人が相続後に負担する費用
相続人の責任で生じた加算税・延滞税できない相続人の責任に基づく負担
出典:国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務」、国税庁「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」

なお、相続税申告の税理士費用は、相続人の所得税の計算でも必要経費になりません。
家族の個人的な手続きの費用として扱われるためです。

相続税理士費用の代表的な3つの負担割合・分け方

負担割合に決まりはありませんが、実務でよく使われるのは次の3つです。

分け方向いているケース注意点
取得割合で分ける取得額に差がある(最も一般的)遺産分割が終わるまで割合が決まらない
人数で均等に分ける取得額に大きな差がない取得額の差が大きいと不満が出やすい
1人が負担する配偶者が払って二次相続に備える/協力が得られない他の相続人の分を肩代わりする形は避ける

1. 財産の取得割合に応じて負担する(最も一般的で公平)

各相続人が受け取る遺産の割合と同じ割合で、税理士費用を分ける方法です。
多く受け取った人が多く負担するため、不満が出にくい分け方です。
税理士費用が100万円で、長男が遺産の60%・次男が40%を取得した場合は次のとおりです。

  • 長男:100万円×60%=60万円
  • 次男:100万円×40%=40万円

取得割合は、遺産分割がまとまるまで決まりません。
代表者がいったん立て替え、分割協議の成立後に精算する流れが一般的です。
相続割合そのものの決め方は、相続割合の決め方をご覧ください。

2. 相続人の人数で均等割して負担する

取得額にかかわらず、相続人の人数で均等に割る方法です。
取得額に大きな差がない場合や、計算を簡単に済ませたい場合に向いています。

ただし、取得額に大きな差があると不公平感が出ます。
長男が5,000万円、次男が500万円を相続するのに費用は半分ずつ、という形は揉めやすい典型例です。

3. 代表相続人や配偶者が1人で負担する

特定の相続人が全額を負担する方法です。
主に次の2つの場面で使われます。

  • 他の相続人の協力が得られず、代表者が負担して申告を進める場合
  • 配偶者が負担し、二次相続の相続税を抑えたい場合

相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です(国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」)。
話し合いがまとまらなくても期限は延びません。
そのため、代表者が先に負担して申告を進めるケースは少なくありません。

配偶者が払うと二次相続の相続税を抑えられる

父が亡くなり母と子が相続する場合、税理士費用を母(配偶者)が負担する方法があります。
税理士費用は、誰が払っても一次相続の相続税は変わりません。
一方で母が払えば、その分だけ母が亡くなったとき(二次相続)に課税される財産が減ります。

目安として、二次相続で適用される相続税率が20%の家庭を考えます。
母が100万円を負担すれば、将来の相続税が20万円ほど軽くなる計算です。
ただし、母の財産が二次相続の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら効果はありません。

配偶者には「配偶者の税額軽減」があります。
取得した遺産が1億6,000万円か法定相続分相当額のどちらか多い金額までなら、相続税はかかりません(国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」)。
一次相続で母が多めに相続し、その中から費用を払う形にすれば、子の手元の財産を減らさずに済みます。

注意したいのは、他の相続人が払うべき分を母が肩代わりする形にしないことです。
他人の債務を無償で支払うと、贈与とみなされる場合があります(相続税法第8条)。
配偶者が負担するなら、配偶者が依頼者として税理士と契約し、その旨を遺産分割協議書にも書いておきましょう。

配偶者の税額軽減を使った申告の実例は、当事務所の支援事例配偶者の税額軽減を活用した相続税・贈与税申告の事例で紹介しています。

相続の税理士費用を支払うタイミングと支払い方

支払いの時期や方法は事務所ごとに異なります。
まずは一般的な流れを押さえておきましょう。

契約時の着手金と申告完了時の残金

税理士費用は、次の2回に分けて支払うことが多くなっています。

  • 着手金(契約時):報酬の一部を前払いする。金額は事務所によって異なり、着手金がない事務所もある
  • 残金(申告書の完成時):確定した遺産総額で計算した報酬から、着手金を差し引いた額を払う

報酬は遺産総額や土地の数で決まることが多く、財産の全体像が固まるまで総額は確定しません。
見積もりの段階で、追加料金が発生する条件を確認しておきましょう。

故人(被相続人)の預金から払うことはできる?

金融機関は口座名義人の死亡を知ると口座を凍結するため、そのままでは引き出せません。
ただし、次の2つの方法で故人の預金を税理士費用に充てることはできます。

  • 遺産分割前の払戻し制度を使う:相続人が単独で「相続開始時の残高×1/3×法定相続分」まで払い戻せる(1つの金融機関につき150万円が上限)
  • 遺産分割協議書で定める:「税理士報酬は遺産から支払う」と書き、預金の払戻し後に精算する

払戻し制度で受け取った額は、その相続人が遺産の一部の分割を受けたものとみなされます(全国銀行協会「亡くなった親の預貯金、すぐに引き出すことは可能ですか?」)。
税理士費用に充てた分をどう精算するかも、協議書で決めておきましょう。
なお、遺産から払っても債務控除にはならず、相続税の額は変わりません。

代表者が立て替える場合は領収書と精算方法を決めておく

実務では、税理士が代表者に一括で請求し、代表者が立て替える形が一般的です。
他の相続人の負担分は、後から精算します。
立て替える場合は、次の2点を準備しておくとトラブルを防げます。

  • 負担額の内訳がわかる請求書・領収書を発行してもらう(相続人ごとに分けられるか税理士に相談する)
  • 精算の時期と方法(遺産の受取額から差し引くなど)を遺産分割協議書に書く

【ケース別】税理士費用の支払いで揉めやすい3つの場面と対処法

税理士費用は100万円を超えることもあり、負担をめぐって揉めることがあります。
よくある3つの場面と対処法を紹介します。

ケース1:支払いを拒否する相続人がいる

分割協議が難航し、「自分は頼んでいないから払わない」と言う相続人がいるケースです。
まずは代表者が立て替えて、期限内に申告を済ませることを優先しましょう。
期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税がかかるためです。

立て替えた費用は、遺産分割調停などで遺産を分ける際に、あわせて精算を求めます。
相続人がそれぞれ別の税理士に頼むこともできますが、費用が二重にかかります。
申告内容が食い違うと税務署から確認を受けやすくなるため、1つの事務所にまとめて依頼するのがおすすめです。

ケース2:特定の相続人だけ追加の調査が必要になった

長男だけが過去に多額の生前贈与を受けていて、その調査に加算報酬がかかったケースです。
全体を取得割合で割ると、ほかの相続人から「なぜ長男の分まで払うのか」と不満が出ます。

対処法は、基本報酬は取得割合で分け、特定の相続人のための加算報酬はその人が負担すると事前に決めておくことです。
相続前の贈与がどこまで相続税の対象になるかは、生前贈与の110万円非課税枠と注意点で解説しています。

ケース3:代表者が独断で税理士を決めた

代表者がほかの相続人に相談せずに契約し、後から高額な費用を請求して揉めるケースです。
「もっと安い事務所があったはず」と不信感を持たれやすくなります。

防ぐには、契約前に見積もりを全員に共有し、合意を得てから依頼することです。
負担割合と支払い方法も、遺産分割協議書に書いておきましょう。

相続税申告の税理士費用の相場と負担を抑える方法

税理士報酬に公的な基準はなく、金額は事務所ごとに異なります。
一般には、遺産総額の0.5〜1%程度が目安とされています。
東京は地価が高く遺産総額が膨らみやすいため、費用も高くなる傾向があります。

具体例として、当事務所の相続税申告の基本報酬を紹介します(2026年10月時点、税抜)。

遺産総額基本報酬(税抜)
〜5,000万円40万円〜
5,000万円〜7,000万円50万円〜
7,000万円〜1億円60万円〜
1億円〜1億5,000万円70万円〜
1億5,000万円〜2億円80万円〜
2億円〜2億5,000万円100万円〜
2億5,000万円〜3億円130万円〜
3億円〜4億円150万円〜
4億円〜5億円180万円〜
5億円〜別途お見積もり
出典:齋藤久誠公認会計士・税理士事務所「相続税・贈与税申告」(料金は目安で、案件の難易度により変わります)

基本報酬に加えて、次の加算報酬がかかります。

  • 土地:1利用区分につき7万円
  • 非上場株式:1社につき15万円
  • 相続人が2名以上:基本報酬×10%×(相続人の数−1)。5名以上の場合は加算対象となりません

計算例:遺産8,000万円・相続人3人の場合

母・長男・次男の3人で、自宅の土地(1利用区分)を含む遺産8,000万円を相続するケースです。

  • 基本報酬:60万円
  • 土地の加算:7万円
  • 相続人の加算:60万円×10%×(3人−1)=12万円
  • 合計:79万円〜(税抜)

取得割合が母50%・長男25%・次男25%なら、負担額は母が39万5,000円、長男と次男が各19万7,500円です。
母が全額を負担すれば、先に紹介した二次相続への備えにもなります。

必要書類を自分たちで集めて費用を抑える

費用を抑えたいなら、自分たちでできる作業は自分で行うのが効果的です。
戸籍謄本・残高証明書・登記事項証明書などの収集を任せると、その分の手数料がかかることがあります。
平日に役所や金融機関へ行ける場合は、相続人自身で集めると費用を抑えられます。

相続税申告の経験が豊富で料金が明確な税理士を選ぶ

税理士には、法人税・所得税・相続税などの得意分野があります。
普段の顧問税理士でも、相続税申告の経験が少ない場合は注意が必要です。
土地の評価で税額が大きく変わる東京では、相続税に強い事務所を選びましょう。

料金表が公開されているか、追加料金の条件が見積もりに書かれているかも確認しましょう。
選び方の詳細は、東京で相続税申告に強い税理士を選ぶポイントで解説しています。

【東京都内の相続相談なら】齋藤久誠公認会計士・税理士事務所

東京で相続税申告や相続対策にお悩みなら、齋藤久誠公認会計士・税理士事務所へご相談ください。
代表の齋藤久誠は、公認会計士と税理士の資格を持っています。
有限責任監査法人トーマツを経て、みずほ証券のプライベートバンキング支援部で資産家の資産承継に携わってきました。

当事務所の特徴は次のとおりです。

  • 料金表を公開:基本報酬と加算報酬を相続税・贈与税申告のページで公開し、事前にお見積もりを提示します
  • 二次相続まで見据えた提案:二次相続のシミュレーションを踏まえ、分け方や費用負担を提案します
  • 書面添付制度に対応:税理士が確認した内容を記載した書面を申告書に添付し、申告の根拠を示します
  • 専門家と連携:弁護士法人や司法書士法人と提携し、遺産分割の争いや相続登記にも連携して対応します

ご相談は無料・完全予約制です。
二子玉川駅から徒歩3分の世田谷の事務所のほか、丸の内・代官山にも事務所があります。
税理士費用の分け方に迷っている方や見積もりを知りたい方は、ページ下部のフォームまたはお電話でお気軽にご連絡ください。

相続の税理士費用に関するよくある質問

Q. 相続税がかからない場合でも税理士費用はかかりますか?

遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下なら、相続税の申告は原則不要です。
ただし、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使って税額がゼロになる場合は、申告が必要です。
申告を税理士に依頼すれば、その分の費用がかかります。

Q. 税理士費用を払った相続人は、相続税が安くなりますか?

安くなりません。
税理士費用は債務控除の対象外なので、誰が払っても一次相続の相続税は変わりません。
影響が出るのは、配偶者が払って二次相続で課税される財産が減る場合です。

Q. 相続放棄した人も税理士費用を負担しますか?

相続放棄した人は相続人ではなくなるため、原則として負担する立場にありません。
ただし、放棄した人が死亡保険金を受け取り、相続税の申告が必要になる場合があります。
その場合は、その人の分の費用負担を話し合いましょう。
詳しくは相続放棄後でも生命保険金は受け取れる?で解説しています。

Q. 税理士費用の負担は遺産分割協議書に書くべきですか?

書いておくことをおすすめします。
負担割合・支払い方法・立て替えた分の精算方法を書けば、後の「言った・言わない」を防げます。

まとめ:税理士費用は契約前の話し合いで負担割合を決めておこう

相続税申告の税理士費用は、誰が払うかに法律上の決まりがなく、債務控除の対象にもなりません。
だからこそ、契約前に相続人全員で負担割合を話し合い、書面に残すことが大切です。

  • 一般的なのは、取得割合に応じて分ける方法
  • 配偶者が払うと、二次相続の相続税を抑えられる可能性がある(肩代わりの形は避ける)
  • 故人の預金は、払戻し制度や遺産分割協議書の定めで費用に充てられる

見積もりや負担方法のご相談は、当事務所のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
ご家族全員が納得できる分け方を、二次相続まで見据えてご提案します。

相続財産に会社の株式(非上場株式)が含まれる場合は、評価や名義変更の手続きに手間がかかり、税理士費用にも影響することがあります。非上場株式の相続については、かんたん株価試算の「非上場株式の相続ガイド」をご覧ください。

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